法人決算はオンラインでできる?注意点を解説
法人決算は、e-TaxやeLTAXを利用することでオンラインで完結できます。
税務署へ出向く手間が省け、24時間申告が可能になるなどメリットも多い一方、初期準備や操作習熟に注意が必要です。
今回は、法人決算のオンライン手続きの流れと注意点について解説します。
法人決算はオンラインで完結できる
法人決算の申告・納税は、国税についてはe-Tax、地方税についてはeLTAXという公的システムを利用することで、すべてオンラインで完結できます。
事業年度開始時の資本金が1億円を超える法人には電子申告が義務化されていますが、中小法人も任意で利用可能です。
インターネット環境とパソコンがあれば、税務署や自治体の窓口に出向くことなく、法人税や消費税、法人住民税、法人事業税などの申告と納税が行えます。
e-Taxは国税庁が運営する電子申告システムで、法人税や消費税の申告に利用します。
一方、eLTAXは地方税電子化協議会が運営するシステムで、法人住民税や法人事業税の申告に使用します。
これらのシステムを活用することで、書類を郵送したり窓口に持参したりする必要がなくなります。
オンライン決算に必要なもの
法人決算をオンラインで行うには、いくつかの準備が必要です。
電子証明書
電子申告には電子証明書が必須です。
法人の場合は商業登記に基づく電子証明書、または代表者個人のマイナンバーカードを利用します。
商業登記に基づく電子証明書は、オンラインで申請し、年間数千円程度の費用がかかります。
電子証明書は、申告データが本人から送信されたものであることを証明する重要な役割を果たします。
有効期限があるため、期限切れには注意が必要です。
ICカードリーダライタ
電子証明書を読み取るためのICカードリーダライタが必要です。
家電量販店やオンラインショップで2,000円から5,000円程度で購入できます。
マイナンバーカードに対応した製品を選ぶことで、他の電子申請にも利用できます。
パソコンのUSBポートに接続して使用するタイプが一般的です。
対応ソフトウェア
e-TaxソフトやeLTAXのPCdesk、または対応する民間の会計ソフトが必要です。
弥生会計やfreee、マネーフォワードクラウドなどの会計ソフトを使用している場合、申告データを直接作成できるため効率的です。
e-TaxソフトとPCdeskは、それぞれの公式サイトから無料でダウンロードできます。
ただし、対応するOSやブラウザのバージョンに制限があるため、事前に確認しておく必要があります。
オンライン決算の手続きの流れ
オンライン決算は、以下の手順で進めます。
事前準備
まず、e-TaxとeLTAXそれぞれで利用開始届出書を提出し、利用者識別番号を取得します。
この番号は今後の申告で継続して使用します。
電子証明書の登録も事前に済ませておく必要があります。
利用開始届出書は、各システムのホームページから作成・提出できます。
届出後、即時または数分程度で利用者識別番号が発行されます。
決算書類の作成
通常の決算業務と同様に、貸借対照表や損益計算書などの決算書類を作成します。
会計ソフトを利用している場合は、そのまま電子申告用のデータとして活用できます。
決算書類の内容に誤りがないか、入念にチェックすることが大切です。
税額の計算も正確に行う必要があります。
申告データの作成と送信
作成した決算書類をもとに、e-TaxやeLTAXで申告データを作成します。
電子署名を付与し、送信します。
e-Taxは国税、eLTAXは地方税とシステムが分かれている点に注意が必要です。
送信前には、入力内容に誤りがないか最終確認を行うことが大切です。
送信ボタンを押すと、データが税務署や自治体に送信されます。
受信通知の確認
送信後は受信通知を確認し、申告が正常に受理されたことを確かめます。
データはシステム上で保管されるため、印刷や郵送の手間がかかりません。
受信通知は、申告が正しく受理された証明になりますので、必ず保存しておく必要があります。
万が一エラーが表示された場合は、内容を確認して修正する必要があります。
オンライン決算のメリット
オンライン決算には多くのメリットがあります。
最も大きいのは時間的なメリットです。
税務署や自治体窓口への往復時間が不要になり、24時間いつでも申告できます。
メンテナンス時間を除けば、深夜や早朝でも手続き可能です。
忙しい経営者にとって、時間を有効活用できる点は大きな魅力といえます。
経済的なメリットとしては、書類の印刷代や郵送代が削減できます。
一部の添付書類は省略も可能です。
また、データで保管できるため、過去の申告内容の確認や修正申告もオンラインで対応できます。
会計ソフトと連携すれば、入力ミスも減らせます。
データの一元管理により、税務調査の際にも必要な資料をすぐに取り出せます。
オンライン決算の注意点
オンライン決算には注意すべき点もあります。
初期費用と準備の負担
電子証明書の取得費用やICカードリーダライタの購入費用など、初期費用がかかります。
また、ソフトウェアの操作に慣れるまで時間を要する可能性があります。
特に初めてオンライン申告を行う場合は、余裕を持ったスケジュールで準備を進めることが大切です。
操作方法に不安がある場合は、税理士に相談することをおすすめします。
システム要件
e-TaxやeLTAXには、対応するOSやブラウザのバージョン制限があります。
使用しているパソコンが推奨環境を満たしているか、事前に確認が必要です。
インターネット環境も必須です。
古いパソコンを使用している場合、システムが正常に動作しない可能性があります。
推奨環境は各システムの公式サイトで確認できます。
2つのシステムを使い分ける必要性
国税と地方税でシステムが異なるため、e-TaxとeLTAXの両方に利用者登録し、それぞれ電子証明書を設定する必要があります。
操作方法も異なるため、両方に習熟する必要があります。
特に初めて利用する場合は、それぞれのシステムの使い方を理解するのに時間がかかることがあります。
マニュアルやヘルプデスクを活用して、スムーズな申告を目指すことが重要です。
添付書類の取り扱い
すべての書類が電子化できるわけではありません。
一部の書類は別途郵送が必要な場合があります。
また、電子データで提出する場合も、PDFファイルの形式や容量制限があるため注意が必要です。
どの書類が電子提出可能で、どの書類が郵送必要かを事前に確認しておくことが重要です。
セキュリティ対策
電子証明書やパスワードは厳重に管理する必要があります。
不正アクセスを防ぐため、ウイルス対策ソフトの導入も必要です。
パスワードは定期的に変更し、他人に知られないよう注意が必要です。
また、電子証明書が格納されたICカードは、金庫など安全な場所に保管することをおすすめします。
まとめ
今回は、法人決算のオンライン手続きについて解説しました。
e-TaxとeLTAXを利用すれば、法人決算はオンラインで完結できます。
時間やコストの削減というメリットがある一方、初期準備や複数システムの習熟が必要という注意点もあります。
スムーズにオンライン決算を導入したい場合は、税理士に相談することをおすすめします。
志磨税務経営事務所では、オンライン対応も含めた法人税務のサポートを行っています。
お気軽にご相談ください。
